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エコツーブログ

大都会大阪のコケ

テーマ: 地域情報(国内)
2017年03月14日| Administrator

奈良県川上村 森と水の源流館の木村さまから、

都会に生きるコケと、それを取り巻く環境についてのお話をお寄せいただきました!

 

大都会大阪のコケ

木村 全邦

奈良県川上村を離れて、出張で大都会大阪のど真ん中へ。少し早く着いたので、

周辺でコケを観察することにしました。世界中どこにでも、南極にだって生育

しているコケ植物は、いつでもどこでも観察できるのが良いところです。

01

大都会大阪の川沿いでコケをさがしました

 

 コケ屋の私が、都会のコケを観察するときに必ず見てしまうのが、木の幹にコ

ケが生えているかどうかです。観察したのは河畔の公園なので、ひとまずコケ

が生きていくために必要な湿度はありそうです。ところが、いざ探してみると

全くコケが生えていません。周りをよく観察すると、足もとや手の届かないウ

ンと高いところにはコケが生えているのが観察できました。しかし、やっぱり

手の届く範囲にはコケは全く見当たらないのです。ジョギングや散歩をしてい

る人の冷たい視線を少し背中に感じながら、木から木へ、なめまわすように幹

をさがしていると、やっと見つけたのが未成熟な胞子体を付けたほんのわずか

なサヤゴケでした。

02

コケの見当たらない木の幹ばっかり

 

 コケは、空気中に存在する水や栄養分を取り込みやすいように、人間の皮膚

にあたる表皮を持っていません。そのため、空気が汚染されていると、汚染物

質も植物体の中に入ってしまいます。そのため、排気ガスなどで汚染された都

市部に行くほど、大気汚染や乾燥に強いごく限られた種しか見られなくなって

きます。つまり、コケには大気汚染に関する指標性があるのです。簡単に言う

と、コケを調べればその場所の大気温泉の程度が推察できるということです。

この傾向は、特に大気環境に影響を受けやすい木の幹に生えるコケに顕著です。

Taoda (1972) は東京における亜硫酸ガス濃度(年平均)と樹幹に生えるコケの

出現種の関係を調べ、大気汚染程度を区域Ⅰ(たいへん汚れている)~区域Ⅴ

(きれい)までの5段階に分けて、それぞれの区域に出現するコケの種類を明

らかにしました。それによると、サヤゴケなどがごくわずかに生育しているよ

うな、今回観察した場所の環境は汚れている方から2番目の区域Ⅱに判定され、

亜硫酸ガス濃度(年平均)で0.04-0.05 ppmにあたります。手の届かない高いと

ころに少しコケが見られたのは風で飛ばされて汚染が薄まっていたのかもしれ

ませんが、今、吸っている空気はかなりヤバイなぁと思ったのでした。

 

03

やっと見つけたサヤゴケ

04

足元にはネジクチゴケのやさしい緑色を見つけました

05

大都会の夜景はきれいなのですが・・・

 

これから、卒業式シーズンを迎え、就職、転職、転勤などで引越しの季節を迎

えます。そんな時、駅から何分とか、コンビニの近くとかいうことばかりでな

く、近所の木の幹にコケが何種類も生えているところというのも引越先の判断

基準にしませんか?

 

(きむら まさくに:森と水の源流館)

http://www.genryuu.or.jp/

 

 

(引用文献)

Taoda, H. 1972. Mapping of atmospheric pollution in Tokyo based upon epiphytic bryophytes. Jap. J. Ecol. 22(3): 125-133.

 
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