尾瀬・檜枝岐エコツーリズム未来プロジェクト(福島県檜枝岐村)

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人口600名余の小さな村では、観光事業は行政すなわち「官」が主体的に担ってきましたが、震災後、檜枝岐村の観光を取り巻く状況が更に厳しさを増す中で、観光客の要望を的確に把握し、魅力ある商品造成と村民が主体となった受け入れ態勢を構築するには、官と民(事業者)だけではなく、住民が主体的に活動するための「公」、すなわち「パブリック」な組織が必要であると考えています。
新たな「公」を担う組織として「みんなのひのえまた推進協議会」を設立し、復興の課題や将来ビジョンについて村民自ら意見交換し、議論の中から生まれたミッションを協議会内部の専門部会で具体的に計画実行する体制が整えられました。今後の協議会の取り組みとしてエコツーリズムの推進を事業の柱と位置づけています。
この地域で最も大切なフィールドである尾瀬を今後も持続可能な形で保全し、利活用するためには、尾瀬の福島県側の玄関である檜枝岐村が中心となり、南会津地域全体で尾瀬におけるエコツーリズム推進を図る必要があります。
檜枝岐村だけでなく、南会津地域内の市町村がそれぞれ進めていた着地型観光事業との連携をエコツーリズムを基軸とした取り組みとして新たに一体化することで地域全体のコンセプトとして確立し、地域観光ブランドとして育てていきたいと考えています。
また、南会津地域の農業を中心とした一次産業事業者の方々との連携もエコツアー商品を造成する中で、伝統的なご当地食の復活と共に地場産品を活用することで多くの方々に参画して頂く予定です。
2012年度は、南会津地域全体で新たなエコツーリズムのプログラムやツアー等の商品開発や、人材育成を行うスタートの一年として位置づけており、エコツーリズムを推進するために必要なスキルを身に付ける人材育成セミナーや、エコツアー商品の企画造成セミナーを開催します。
檜枝岐村内で観光に携わる人々のスキルアップはもちろん、南会津地域内の観光業や一次産業に携わる方々や福島県内の他地域へも広く呼びかけ、尾瀬という絶好のフィールドと共にエコツーリズムをテーマにした多様な事業形態を展開していきます。

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【本企画の担当・責任者】
山田桂一郎(JES理事、JTIC.SWISS代表)