福島県北塩原村におけるエコツーリズムによる観光と地域振興(福島県北塩原村)

主として大塩・北山地区における宝・宝人探しによる地域振興

福島県北塩原村は裏磐梯地区と大塩・北山地区に大きく分けられ、前者は主に観光で、後者は農業で、それぞれに地域振興を図ってきました。

裏磐梯地区は、2005?2007年に環境省のエコツーリズム推進モデル地区としてエコツーリズム推進に取り組み、2007年に裏磐梯エコツーリズム協会が設立され、その支援組織としてJESが応援してきた地域です。
裏磐梯エコツーリズム協会は、裏磐梯地区が国立公園内にあることなどから、その活動の中心を裏磐梯地区においてきた経緯がありました。今改めてこの大塩・北山地区をみると、そこには美しい“棚田の風景”、“旧会津・米沢街道沿いの歴史的遺産”があると同時に、街道沿いの歴史に詳しい人々も多く住んでいますが、こうした宝や宝人が活用されていない現状があります。

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本事業では、JESの伊藤理事が会長を務める裏磐梯エコツーリズム協会が中心となり、エコツーリズム普及の基本である大塩・北山地区の宝や宝人の掘り起こしを行うことで、地域住民への一層のエコツーリズム普及を図ります。
また、当該地区の農業者と連携し六次化を推進することで、当該地区の農業の再生や経済振興に役立つことができると考えています。次年度以降は掘り起こされた宝や宝人を活用して、宝マップ作成、地域住民を対象としたモニターツアーなどを行う予定です。
一方、裏磐梯地区においては、その資源保全を目的とした取り組み(モニタリング等)を継続して行うことが必要であり、これについては福島大学との協働も予定されています。
このように本事業を推進することにより、裏磐梯地区の自然資源と大塩・北山地区の里山資源が有効に活用され、北塩原村の観光の幅を広げ地域経済の振興にも寄与することができ、さらには、北塩原村住民の放射能汚染に対する風評被害意識の克服にも繋がるものと考えています。

【事業内容】
1.大塩・北山地区の宝(棚田の風景、旧米沢街道沿いの歴史的資源等)及び宝人探し、同じく宝の精査及び宝人の育成
2.裏磐梯地区の自然資源の保全活動(モニタリング等)の継続

【本企画の担当・責任者】
伊藤延廣(JES理事、裏磐梯エコツーリズム協会会長)