森の「いろいろ事情がありまして」

 日本で初めて国設野鳥の森に指定された「軽井沢野鳥の森」を舞台に生き物たちの生態を綴った科学読み物。シジュウカラやツグミ、キビタキなど野鳥の森に生息する鳥たちはもちろん、ツキノワグマやムササビ、カエルやアリ、さらにはスミレやミズナラなどの植物まで、さまざまな生き物をテーマにした50話で構成。
 本書が意識的に取り上げているのは生物の多様性。野生の生き物たちにも、いろいろな生活や能力、経歴や運不運があります。人間と同じように1匹1匹に個性があることに気付くことで、私たちの自然を見る目が変わり、人と自然の関係が少しでもよくなってくれれば…。そんな願いもこめました。
 編著者のピッキオは、長野県軽井沢を拠点に、自然の不思議や魅力を楽しく伝えるエコツーリズムの専門グループ。野生動物の調査・研究をしながら、ツキノワグマとの共存や外来種への対策なども行っています。エコツーリズム大賞受賞団体。

著者 ピッキオ
発行年 2007年
出版社 岩波書店
定価 1,600円(税別)