全国エコツーリズム大会 in屋久島2018
現状から未来へ向けて、新たな飛躍を。
屋久島町制10周年記念・縄文杉発見50周年記念・明治維新150周年記念
開催概要
【開催期間】2018年2月10日~12日
【場 所】 鹿児島県屋久島町
【主会場】 屋久島町総合センター
【内 容】 1日目シンポジウム、2日目分科会、3日目エクスカーション
【主 催】 屋久島町エコツーリズム推進協議会
【共 催】 屋久島町、NPO法人日本エコツーリズム協会
【公式サイト】http://www.yakushima-eco.com/ecotourism/
【パンフレット】表面、裏面
開催報告
世界自然遺産登録25周年を記念して屋久島で「全国エコツーリズム大会in屋久島2018」が2月10日から12日にかけて開催されました。
大会開催の背景には、遺産登録後、順調に伸び続けていた観光客数が2007年をピークに漸減していることや、エコツーリズムに関する様々な取組として、ガイド認定制度や入山協力金の導入、里のエコツアーの開発、エコパーク構想、観光基本計画の作成等が行われてきたことについて、一度、振り返って議論を重ね、今後に活かしていきたいという狙いがありました。大会の構成は、初日に基調講演、問題提起、交流会を行い、2日目に5つの分科会、3日目にエクスカーションという流れで、特に2日目の分科会では、なるべく参加者同士の意見交換の時間を多く確保しました。遠くは小笠原村や沖縄県等、全国各地からエコツーリズムの実践に取り組む人たちや、島民が集まり、初日と2日目で延べ440人の参加を得ました。
大会初日の基調講演では、「持続可能なエコツーリズムとは?」と題し、株式会社JTB代表取締役会長で、日本エコツーリズム協会の田川博己副会長が講演しました。講演では観光産業を取り巻くグローバルな課題の一つとして、国連が示した2030年までに達成すべき持続可能な開発目標「SDGs(Sustainable Development Goals)」に触れ、観光は様々な課題解決につながる手段であり、課題解決に向けたリーダーとして努力していく必要があること、また国際的な観光の潮流にエコツーリズムが位置づけられていることなど、グローバルな見地から話し、それらを踏まえて、国内においてはサステイナブルツーリズムを実現する具体的な実践がエコツーリズムであり、その中心を担っている屋久島への期待と、欧米人を核とするインバウンドの振興が今後の鍵をにぎっていると締めくくりました。
翌日の5つの分科会では、これまでの取組を踏まえたテーマが設定され、一つ目が「観光基本計画」、以下順に「口永良部島を中心にエコパークを考える」、「環境保全と協力金」、「里のエコツアーや一次・二次産業と観光業の関わり」、「ガイド登録認定制度」という内容でした。朝9時から始まり、昼食をはさんで14時くらいまで各分科会で議論するという充実ぶりで、参加者同士での意見交換等、十分に行うことができました。15時からは全体会として各分科会からの報告をコーディネーターが行い、話し合われたことを共有しました。
最後の大会宣言では、次の3つのことが屋久島町の荒木町長から宣言されました。一つ目は、観光基本計画の実現として、基本理念である「エコツーリズムによる世界自然遺産『屋久島』の価値創造と観光立町」の実現を目指すこと、二つ目は、「屋久島町エコツーリズム推進全体構想」の認定に取り組むこと、三つめは、ユネスコエコパークを活用したまちづくりを進めることです。
全国各地でエコツーリズム実践に取り組む人と、島の住民とが集まり、意見や情報を交換し、最後に具体的な行動の宣言を行うことができたことは、大きな収穫であり、今後の取組が期待されます。