開催報告:エコツーリズム推進認定地域オンライン情報交換会 With COVID-19をどう捉えるか?〜エコツーリズムの現場から〜
2020年6月5日、全国17のエコツーリズム推進法認定地域のうち13地域の推進協議会の皆さまをお迎えして「エコツーリズム推進地域情報共有会議」をZoom上で開催いたしました。会議は、高梨洋一郎(JES副会長)の総合司会のもと、9名のコメンテーターと約226名もの視聴者の方々が一堂に会する形となりました。視聴者の中にはオーストラリアからご参加くださったプロガイドの方がおられ、まさに国境を越えた2時間半となりました。
「いつ開くのか」「Withコロナのリスクマネジメントのあり方」「Afterコロナの地域活性化戦略」「今後のネットワーキングに向けて」という4つの論点を設けて意見を交わし、各地の生の声が熱く飛び交う会議となりました。地域によって地理的条件も地域コミュニティの状況も異なるものの、後ろを向いている地域は一つもなく、ガイドラインの策定をひとつの契機として、新しい日常に対応するエコツーリズムを続けていこうという点は一致していたように思います。
参加協議会
全国13地域(15協議会)
てしかがえこまち推進協議会
谷川岳エコツーリズム推進協議会
飯能市エコツーリズム推進協議会
小笠原エコツーリズム協議会
檜原村エコツーリズム推進協議会
上市まちのわ推進協議会
下呂市エコツーリズム推進協議会
鳥羽市エコツーリズム推進協議会
名張市エコツーリズム推進協議会
南丹市美山エコツーリズム推進協議会
愛媛県石鎚山系エコツーリズム推進協議会
阿蘇ジオパーク推進協議会
奄美群島エコツーリズム推進協議会
奄美大島エコツーリズム推進協議会
ゆんぬツーリズム推進協議会(ヨロン島エコツーリズム推進協議会)
(都道府県コード順)
コメンテーター
江崎 貴久(有限会社オズ代表取締役/鳥羽市エコツーリズム推進協議会会長)
小林 寛子(東海大学経営学部観光ビジネス学科教授 エコツーリズム研究室)
田島 幸郎(日本エコツーリズム協会理事/事務局長)
松田 光輝(株式会社知床ネイチャーオフィス代表取締役)
松本 毅(有限会社屋久島野外活動総合センター代表取締役)
真板 昭夫(北海道大学大観光学高等研究センター特任教授)
高梨 洋一郎(一般社団法人日本エコツーリズム協会副会長)
山田桂一郎(JTIC.SWISS代表・観光カリスマ)
山田 拓(株式会社美ら地球CEO)
(50音順)
進行役:海津 ゆりえ(文教大学国際学部観光学科教授)
観覧者様アンケート結果(抜粋)
- 全国の様子を伺うことができました
- 日本全国様々な地域の実情と、ウィズコロナ、アフターコロナに際してどのような方策が検討されているのかを知ることができた。
- 素晴らしい方々が集まる貴重な機会だったため、今後のアクションプランみたいな話まで聞きたかったです
- いろんな地域の意見が聞けてよかった。未知の境遇の中、各自が独自の努力で乗り越えようとしてるのが前向きな気持ちになれて面白かったです。
- 宿泊業や移住者の呼び込みをするタイミングを考えあぐねていたなかで、みなさまの意見を聞くことができて参考になりました。
- 各現場の取り組み、問題点を聞けたこと。
- この状況下でしか聞けないリアルな現場の話。リピーターは家族だ、という言葉が素晴らしい。
- 立場違えど今回のコロナ関連は各地同じ思いで、且つこれを機に、地域らしさ+各地との連携の必要性が感じられました。
- 学生として、実際エコツーリズムに携わっている方々の話を聞く機会をいただけて本当に勉強になった。
- それぞれの値域での取り組み、考え方が違うこと それぞれの違いにヒントがありそう
「これからのエコツアー」は、どのようなスタイルが望ましいと考えますか?
回答より抜粋
- 日常の延長にある特別感。今日はレストランにいこう!ちょっとおしゃれして。みたいな。
- 会議の中にもあったように、迎え入れる側と訪れる側がともに納得、安心できるようなガイドラインが作られていることが重要であり、エコツーリズムを他と差別化し、生き残っていく上でも重要であると感じた。
- 地域住民が企画し、参加し合うような、地域コミュニティとエコツアーの結びつきが重要になると思います
- 目に見えないウィルスとの戦いになります。実際、戦ってるかわからへんけど、除菌や衛生面など頑張ってるアピールだけでも精一杯していきたいです。それが結果的に地域に感染を広めない効果に繋がっていくと思います
- 新たにバーチャルで事前学習する人たちも増えると思います。
- 観光客と観光地が協力し合うスタイル
- online 5Gなど時代動向にそった体験と、従来からあるエコロジカルな体験ができること
- サステナビリティを大切にしたガイドスタイル
- 高付加価値のエコツアー
- 今日の議論にあったように、今は決めつけないで、動きをじっくり見ることでは。
- 安全面がしっかり担保されている
- 地元の人が新しいガイドになれるような地元民にスポットを当てたツアー。
- より「人」にフォーカスされ、どんな状況下であっても、人と人とのつながりを通して、様々な課題を乗り越えられるようなスタイルではないか、と感じています。
- 少人数、プライベート、高付加価値、ロングステー、ワーケーション
- 少数向けツアーの需要が増えると感じる。自粛疲れから癒しを求める人も増えると思うので、自然に触れることが出来るエコツアーの需要は高まると思う。今回の会議で例に挙がっていたエコツアーはとても興味深かった。
- 近場の人や地域住民にとっても楽しめるものがあれば良い
- 普段から一緒に生活している、家族や小グループでの貸切、内容もオーダーメイド
- キーワードは「バランス」。基準をつくり持続可能性を科学的に測っていくこと(モニタリング)が自然資源を観光利用する者にとっての使命ではないでしょうか。
- 第二のふるさととして、ツーリストが長期的にかかわっていけるプログラムがあれば。
その他感想やご意見などあればお聞かせください
- 具体的な事例、具体的な方針、既存のエコツーリズムを振り返り、これからの在り方について、熱量あふれる議論に触れたい。
- ここで見た皆さんの地域に遊びに行き、勉強したいと思いました。実際に現地に行き、コロナの後の努力を体験しないとわからない部分がありました。またこちらの努力も見に来てもらいたいです!
- いろいろ大変な状況にあることがわかりました。ガイド業や宿泊業の方々はもちろんのこと、地域経済にとって重要な営みですので、がんばって継続していただきたいなと思っています。
- 普段、集まって行っているものを、この様なオンラインにしてもらうと、参加する事のできない外部(学生など)が参加することができるので、この様な機会をまた作ってほしいです。
- エコツーリズム推進全体構想(エコツーリズム推進法)はすごいいい仕組みだと思いますし、自然を観光資源にしている地域にもっと広がってほしいと思っております。これを機にエコツーリズムの推進も期待されるところなので、各地域での全体構想の実績も踏まえてエコツー法の一部改正も検討していただきながら、もっと認定地域が増えればいいと思ってます。
- 地域ごとに違う、時間が経てば変わる、今何が?ということに素早く対応できなければいけない。
なお、アンケートの結果は、年末発行予定の会報で特集させていただく予定です。